ファーウェイジャパンとフロンティア・サンワ、系統用蓄電池事業に関する業務提携覚書を締結

再生可能エネルギーの導入拡大と系統安定化に向けた長期的な協業を加速

華為技術日本株式会社（本社：東京都千代田区、以下「ファーウェイジャパン」）と株式会社フロンティア・サンワ（本社：広島県広島市）は、2025年8月27日、ファーウェイ有明交流体験センター（東京都江東区）において、系統用蓄電池事業に関する業務提携覚書（MOU）の調印式を執り行いました。

調印式の様子

株式会社フロンティア・サンワ 代表取締役 中川大輔(左)、華為技術日本株式会社 代表取締役社長 李飛(右)

再生可能エネルギーのさらなる導入拡大が求められる中、今回の提携は、系統安定化の要である系統用蓄電池の分野で、両社が持つ強みを組み合わせて、新たな事業展開を図っていくためのものです。ファーウェイジャパンは高品質かつコスト競争力に優れた系統用蓄電池システムを供給し、フロンティア・サンワは案件開発およびトータルエンジニアリングを行うことで、両社協力しながら国内の系統用蓄電池事業を大規模に推進します。

■業務提携の内容

本MOUにより、両社は今後2年間を目途に、日本国内で合計約20件、150MWh規模の蓄電所プロジェクトを共同で展開します。

ファーウェイジャパンが供給する製品は、蓄電容量2MWhの大規模産業用蓄電池を中核とするシステムです。その豊富な実績に裏打ちされた性能は、多くの事業者から高い評価を得ています。

フロンティア・サンワは、これまで太陽光発電事業と不動産事業を両輪に事業展開を図ってきましたが、今回の提携を機に系統用蓄電池事業にも本格参入することとなります。メガソーラー開発等で培った経験とノウハウをベースに、蓄電所の用地選定や電力会社への接続検討申請から、設計・調達・建設（サポート）までを一貫して担います。

HUAWEIスマート産業用蓄電池 LUNA2000-2.0MWH-2H1

■社会的背景と意義

日本では、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、化石燃料からの転換が求められています。同時に、不透明化する国際情勢を受けて、エネルギーセキュリティの観点からも、エネルギー自給率の向上が急務となっています。一方で、AIの普及に伴って建設が続くデータセンターの電力消費が急増しており、国内の電力需要は今後増加していくものと予測されています。

こうした状況にあって、純国産の脱炭素電源である再生可能エネルギーのさらなる導入拡大が求められています。しかし、太陽光や風力などの変動性再生可能エネルギーは出力が天候に左右されやすく、電力需給バランスの安定化が大きな課題となります。系統用蓄電池は、この変動性再生可能エネルギーの課題を克服するために不可欠なソリューションであり、蓄電所を造ることは脱炭素社会への移行を促進することに他なりません。

ファーウェイジャパンとフロンティア・サンワが取り組む150MWh規模のプロジェクトは、再生可能エネルギーの導入拡大・電力系統の安定化・エネルギーセキュリティの強化に、大きな好影響を及ぼすものです。両社は、この提携を通して、日本における脱炭素社会の実現に積極的にコミットしていきます。

■将来展望

本MOUに基づいて、今後2年間は、「高圧」蓄電所の開発を進めます。将来的には、両社共同で「特別高圧」蓄電所の開発を行うと共に、太陽光併設蓄電池の導入拡大にも取り組みます。また、完成した蓄電所を国内外の投資ファンド等に売却するスキームも共同で開発し、この取り組みを通じて、日本のエネルギー市場における新たな価値創造を目指します。

今回の提携は、単なる製品の供給／利用にとどまらず、共に市場を創り上げるパートナーシップを基盤としています。メーカーとディベロッパーが紳士的かつ対等な立場で情報を共有し、互いの強みを活かすことで、これまでにない包括的なソリューションの提供を実現していきます。日本の再生可能エネルギーの導入拡大と電力系統の安定化という社会的課題に応えるべく、両社は今後も協業を深化させ、持続可能な未来に向けた取り組みを強化してまいります。

■両社代表からのコメント

ファーウェイジャパン 代表取締役社長 李飛

「本日、フロンティア・サンワ様と調印式を迎えられたことを、たいへん嬉しく思います。日本の蓄電池市場は、今後30〜40GWh規模へと拡大していくと考えられ、非常に大きな成長機会を有しています。ファーウェイは、これまで世界各地で培ってきた経験を活かし、日本市場に最適な製品とソリューションを提供し、皆様と共に新しい市場を切り開いていきたいと考えています。」

フロンティア・サンワ 代表取締役 中川大輔

「数年来にわたりファーウェイ様と関係を築いてまいりましたが、このたび正式にパートナーシップを結べたことを、とても光栄に思っています。両社が協力することで、再生可能エネルギー分野における相乗効果を最大限に発揮できると確信しています。安定した電力供給に資する蓄電池事業を進め、日本全体のエネルギートランジションに貢献してまいります。」